カヌレ日本発祥秘話、ここに。
『藤森さんの焼くのカヌレがやっぱり一番!』
お客様からこんな嬉しいお言葉を頂く事、とても多いのです。「藤森二郎がカヌレを流行らせた」さまざまなところで、
いろいろな方からそう嬉しいお言葉をいただきます。
それでは、カヌレって? 東京ではいつから作り始めたの?
今日はそんな、カヌレのちょっとした小話をさせていただきます。
20年ほど前の話です。
雑誌Hanakoさんの取材で『この次はどんなお菓子が流行りますかね~』と聞かれた藤森二郎。
当時、SNSもなければインターネットもない時代。我々、お菓子・パンのトレンドの発祥といえば雑誌Hanakoさん、でした。
Hanakoさんは当時、本当にたくさんのフードブームを巻き起こしていたんですよね。
それで、藤森は答えました。『こんな伝統菓子がボルドーにあるんですよ、日本でも定着したらいいな~』とカヌレをご紹介。
当時、カヌレの型が大量に余ってしまっていたフランスの業者さんから、大量にカヌレ型を買い込んでいた藤森ですが(笑)、
そんなことはさておき、この素朴だけれど、ボルドーの街を歩くとパン屋さんにはいつも置いてある、
とても地味で素朴だけれど、そのおいしさは天下一品!
相当カヌレに心打たれた藤森は、いつか絶対自分の店でもカヌレを焼くぞと考えていたものでした。
そこでHanakoさんに提案したのです。
『カヌレみたいなお菓子、きっと次きますよ・・!』と。
そもそも、カヌレとは?
カヌレ・ド・ボルドー
フランス大西洋側、ワインで有名なボルドー生まれの伝統菓子です。
シンプルな素材と見た目からは想像できない、風味豊かなお菓子。
皮はカリカリっと、中身はもっっちり。特徴的なフォルムですが、たまご、ラム、お砂糖を流し込んだ
とってもシンプルなお菓子です。
突如、東京にあらわれた「カヌレタワー」
当時日本では、カヌレは個人のお菓子屋さんがたまに、それも少量、焼いて売っている程度でした。
そのどれもが美味しいカヌレでしたが、パティスリー(お菓子屋さん)なので窯のサイズであったり、
オペレーション上の問題で、そのカヌレの製造数にも限りがある。どうしても多くは作れないのです。
そこで、藤森は立ち上がりました。
1日に何百個もカヌレを焼き上げて、それを山積みにして店頭に並べたのです!!
想像してみてください、パン屋さんの店頭に突如現れた山積みになったカヌレ。
それはもう、ものすごい迫力です。
みるみるうちに、グルメなお客様たちの間でビゴのカヌレの噂は広がり、連日、お店の前にはカヌレ目当てのお客様でいっぱい!
長蛇の列で、整理券をお配りするほどの大盛況。
たくさんのメディアが取り上げてくださり、テレビでも「カヌレブーム到来!!」などとたくさん報道してもらい、
瞬く間に、日本にカヌレブームがやってきたのです。
これが、日本の第一次カヌレブームの誕生秘話。
けれども、当時 そんな日本のブームを知ったフランス人の友人はみんな口をそろえてこう言いました。
『なんでTokyoでカヌレが流行ってるわけ??』
そりゃそうですよね(笑)
だって私たちにしてみれば、パリで名古屋のういろうが流行っているようなものですもの。笑
そんなとき、当時ホテル西洋のシェフをされていた
大先輩・稲村さん(現:PATISSERIE INAMURA SHOZOシェフ)が藤森のもとにご来店!
こう言いました。
『藤森くん、よくこんなカヌレのような難しいお菓子をやるねぇ~。。。』
やばい!このとき藤森は、背筋の凍る思い。
藤森『え!どうして? どうしてカヌレが難しいんです??』
稲村さん『どうしてって・・、これだけしっかり焼いてるのに皮はうすくパリパリ。
それなのに中はこんなにも、もちもちじゃない。』
藤森『(歓喜)』
お菓子屋さんには当時、多少の抵抗があったお菓子だったようですが、
我々パン屋にとってみれば、もっとも得意とするジャンルのお菓子だったわけですが、
これは有難いお言葉! 大先輩でありフランスをよく知る一流パティシエに、認めてもらったわけですから!
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藤森率いる我々チーム一同は、ブームが過ぎたあとでも、各店舗で毎日沢山のカヌレを焼き続けています。
だってガレットデロワやクインーアマン、、、こういうお菓子を定着させていくのがわたくし共の使命ですもの。
ps
Une brioche, s il vous plait.
Avec ce-ci ? Ce sera tout?
Euh, egalement 2 canneles s il vous plait !
Merci !
私も朝食のブリオッシュを買うときのレジで、ついついカヌレを1つ2つと買ってしまうのです。
カヌレをお取り寄せする
(文/MFC)
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*この記事は2008年に更新されたものです。内容は当時の情報となりますので、予めご了承ください。
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